SNS for Biz
by Allied Architects

販促費をチラシからSNSへ。ニューファミリー層の獲得戦略

27都道府県下に208店舗を展開し、“ライフスタイルの提案”をコンセプトとするホームセンターチェーン運営の株式会社カインズ。
近年はPB(プライベートブランド)にも注力し、2017年2月の決算では売上高4,000億円を超え、業界内単体企業としてはトップの売上をあげています。業界を牽引する同社が取り組む、5・10年後を見据えた“顧客とのコミュニケーション手法”について、販売促進部 キャンペーン企画グループの廣瀬清仁氏に お話を伺いました。

 

●年々届かなくなる折り込みチラシの情報。ニューファミリー層へのコミュニケーション施策として、新たにSNSに注力!

飯田- 本日は、よろしくお願いいたします。まずは、廣瀬さんの所属されている部署の役割と簡単な ご紹介をお願いいたします。

廣瀬氏- 私の所属する販売促進部は、『チラシグループ』『インストアプロモーション(店内の媒体担当)』『メディア企画(TVCMや雑誌、映像などの制作)』『情報分析(お客様のID-POSデータや購買履歴などの分析)』、それから私の所属する『キャンペーン企画』の5グループに分かれています。
『キャンペーン企画』は、それぞれのグループが作った映像作品やチラシ、分析結果を最適な形で活用するには どうしたらよいかを考え、顧客とのコミュニケーションを実践する部署です。どのグループとも関係が深く、枠を決めずに さまざまな施策を実践できる部署です。具体的には、メディア企画グループが作った動画をInstagramにあげて拡散したり、カタログをメルマガやDMで活用したりしています。
9月の新店オープン時にはアライドさんの支援のもと、メディアタイアップ記事広告やFacebook広告を活用しながらプロモーション施策を実施しました。


全国27都道府県内においてホームセンターチェーンを経営する、株式会社カインズ

飯田- 弊社との お取引以前はチラシなどのオフライン施策がベースだったかと思いますが、当時は、どのようなご状況だったのでしょうか。

廣瀬氏- 新聞の購読率が下がり、チラシなどの施策で情報を届けることが年々難しくなってきていると感じていました。弊社のような業態は地域の生活者の方がターゲットになりますので、チラシが一番効果的なのは間違いないのですが、ニューファミリー層には届きにくくなってきているというデータは持っていました。業界内でも販促費をチラシからSNSにシフトすると言われ始めているものの、具体的な何かしらの動きを進めることができている企業は、まだまだ少ないのが現状です。弊社は そこに危機感を持っていました。

 

●SNSは近い距離で双方向のコミュニケーションを取れるツール、会社のイメージづくりにも貢献

飯田- 業界全体として、新しい施策を考えていくタイミングなのですね。SNSを始める前に、どんな効果を期待していましたか?

廣瀬氏- いわゆる、SNS上で話題化されることですかね。
弊社の商品で“洗濯物が落ちたときに簡単に取れるハンガー”があります。「冬場に こたつに入りながら、遠くにあるものをとる」という、本来とは別の用途でハンガーがSNS上で話題になったことがありました。多くの方から注目を浴びたことと、キーワードの店内のインストア媒体への利用と合わせて、結果その商品の売上が伸びたのです。

同様に話題化したプロモーションでは、“ゾンビが攻めてきたら、ホームセンターに ろう城すると一番生存確率が高い”というコンテンツです(笑)。これが多くの方に面白いと感じていただくことができPVも増え、SNS上で話題化しました。

売上や来店数アップも大事な指標ですが、それ以前にカインズという会社のイメージを伝えられたことが良かったです。弊社は堅実な印象を持たれがちですが、若い世代にも良い意味で砕けた印象を与えられたと思います。

株式会社カインズ 販売促進部キャンペーン企画グループ マネージャー廣瀬 清仁氏
株式会社カインズ
販売促進部 キャンペーン企画グループ マネージャー 廣瀬 清仁氏

飯田- 生活者との距離を縮めて、身近な関係性を作ろうとしたわけですね。

廣瀬氏- はい。先程もお伝えした通り、弊社は良い意味でも悪い意味でも、とても まじめな印象を世間から持たれています。社内でこれまで作ってきた お客様へのコミュニケーションやクリエイティブは、そういった堅実さ、誠実さが伝わるようなものが多いです。それ自体は良いことなのですが、“お客様が自分事化するような親しみのある情報”を届けるには、もう少し別のアプローチも必要かと考えています。そのような手法については、会社として今まで意識しながらも実現できなかった面があります。

飯田- 親近感のある情報としてお客様に届けていきたいという狙いに対し、SNSは相性が良いのではないか…と期待があったのですね。

廣瀬氏- そうです。あとは、他社のTwitterアカウントでの情報発信にも大きく影響を受けています。Twitterアカウント上で親しみやすいコミュニケーションをとられている、小売企業さんのアカウントはよくチェックしています。従来の一方的な情報発信ではなく、お客様の声を聞きながらそれを反映し、近い距離で双方向のコミュニケーションが取れるツールだと思います。

飯田- チラシによる最適な商圏へのアプローチは継続しつつ、さらにSNSというソリューションで新しいコミュニケーションを作っていこうということですね。

廣瀬氏- はい、そうです。それぞれの顧客ごとにタッチポイントを最適化していきたいと思っています。

飯田- SNSというタッチポイントの中で、Instagramを選ばれたのは なぜですか。

廣瀬氏- 弊社はカタログも出していて、写真に対しては強い思い入れがあります。自社の4階には本格的なスタジオもありますし、外部へもよく撮影に出かけています。“商品イメージ写真にかなり力を入れているので、それが武器になるのではないか”ということから、まずInstagramを始めました。あと、Instagramがユーザー数を急成長し始めていた時期でもありました。

飯田- 御社の持つ武器と、Instagramというメディアの相性が良かったということですね。その中でモニプラの活用にいたった理由はありますか。

廣瀬氏- SNS施策を進める第一歩として、まずは“カインズ”という会社を知ってもらうため、Instagramアカウントの運用を通じてフォロワーを増やしていこうと考えました。しかし、当時は自社で地道に広めていたこともあり、なかなか思うように成果に結びついていませんでした。“爆発的に広めるには、どうしたらいいだろう“と施策を検討していたときに、キャンペーンを通じてSNS上のファンを獲得できるモニプラ(monipla)の存在を知り、導入を決めました。

飯田- まずはファンの獲得から、という感じだったのですね。ファンを獲得するソリューションはいろいろある中で、モニプラが良さそうだと思ったのは なぜでしょう。

廣瀬氏- モニプラは、「ブランドを知ってもらってファンになってもらうことに特化」しているというのが分かりやすいなと思いました。ファンとつながっていくということだけでなく、メールも送れるし、さまざまなデータを取得・活用することができるなどの拡張性もあり、将来を見据えたときに幅広く利用できるツールだと考えています。

飯田- SNSについて“フォロワーを増やす”ということ以外に、SNS施策を実施する狙いはありましたか?

廣瀬氏- はい。“ニューファミリー層のデータを収集し、コミュニケーションを設計すること”です。弊社はチラシに多額の投資をしているので、これまで、ID-POS情報を使い、チラシをお届けしているエリアのお客様の商圏情報を分析し、最適な商圏や配布量、掲載する商品などを分析してきました。
弊社は都市型の店舗が少なく、郊外型の店舗が多いのが現状です。分析結果から、郊外型については、以前より ずっとご利用いただいているお客様が売上の上位を占めていることが分かっています。そういうお客様の年齢層が上がっていくのをデータで見ている中で、ニューファミリー層の獲得は、弊社の大きな課題だと認識しています。
ニューファミリー層は そもそも新聞をとっている方が少なく、チラシが届きにくいほか、弊社のID-POSデータでも なかなか分析できるようなデータが取れません。ですから、モニプラを利用してSNS上のデータを取得し、弊社をまだ利用したことがないニューファミリー層の方のデータを分析したいと考えています。また、ID-POSデータなどの情報と突き合させることで、ニューファミリー層の購買行動を明らかにしていけるのではないかと思いました。もしかしたら、”実はコンビニで買っていました”なんてこともあるかもしれません。

 

●Instagramアカウントは、“まだ来店されていない潜在顧客”との接点を作る場所

飯田-Instagramアカウントにファンを集めていく目的でモニプラをご利用いただいていますが、御社にとって、SNSのファンはどのような存在でしょうか。


アライドアーキテクツ株式会社 マーケティング事業本部 アカウント統括部 第二営業部・副部長 飯田 英治氏

廣瀬氏- 弊社のお客様は、3つのパターンに分けることができます。一つ目は、いわゆる「ロイヤル」と言われている方たち。来店実績があり、カード会員であるお客様です。二つ目に、来店実績はあるがカード会員ではないお客様。そういうお客様にはインストアでイベントなどを通じて、会員への勧誘をしています。そして最後が、来店実績のないお客様。まだ来店されたことのないお客様にカインズを知っていただくため、SNSを利用したいと思っています。特に新規出店エリアにお住まいの方が、SNSを きっかけにご来店いただけたらいいなと思っています。

●深い商品理解につながるキャンペーン設計の鍵は、“消費者視点に立った、日常生活でのお悩み解決”

飯田- 実際に、モニプラを活用して実施されたキャンペーンについて ご紹介いただけますか。

廣瀬氏- モニプラを活用し、SNS連動キャンペーンを3回ほど実施しました。目的は、カインズを知っていただきファンになってもらうこと。それから、弊社の商品をプレゼントし、トライアルをしていただくキャンペーンです。当選された方たちのレビューの記載と、リピート購買も狙いでした。

応募時には、Instagramアカウントのフォローだけではなく、モニターサンプリングや動画視聴、ユーザー投票などの仕掛けを組み込み、カインズへの理解が深まるようなキャンペーンを設計しました。

飯田- 理解を促すような仕掛けとは、具体的にどのようなものでしょうか。

廣瀬氏- 弊社はSPA(製造小売業)で、PB商品も扱っています。一般的にPB商品は、NB商品の廉価版のようなイメージを持たれることが多いですよね。しかし弊社では、PB商品を通じてカインズというブランドを構築していきたいと考えているため、カインズブランドとして“自信をもって おすすめできるPB商品”を提供しています。“製造側でこだわりぬいて作った商品を、どう訴求したら消費者に理解してもらえるか”という点にこだわって、キャンペーンのコミュニケーションを考えました。

たとえば、弊社PB商品である『ストーンマーブルフライパン』のキャンペーンは、消費者に理解してもらいたい商品のメリットをどう訴求できるかという視点で設計しました。

「ストーンマーブルフライパン」キャンペーンページ。応募時に、”Instagramアカウントのフォロー” ”動画視聴” ”魅力に感じる機能の投票” などのステップを組み込んだ設計。(モニプラシステム内で対応)

 

まずは商品のメリットを紹介する動画を視聴、どのメリットが もっとも魅力的であったかを投票していただき、Instagramアカウントをフォローいただくという設計にしました。“こびりつく、重い、持ちにくい”など、お客様が感じるフライパンへのイメージは、私たちの訴求したいメリットとリンクしています。このフライパンの どこがいいのかを人気投票形式で投票してもらうことで、こんな特徴があるフライパンだということを、より深く理解してもらえると考えたのです。お客様の生活シーンの悩みを解決するような視点で、仕掛けをしていますね。



キャンペーン参加ステップ①商品メリットわかりやすく表現した動画の視聴

 


 キャンペーン参加ステップ②商品動画を視聴完了後、消費者が魅力を感じた機能に投票していただく


飯田- テレビCMなどのマス媒体は多数の方にリーチできる一方で伝えられる情報が少ないため、情報が偏らざるを得なく、また、表面的になりがちで時間が制限されているということもあり、こういう価値を伝えるようなプロモーションには向きませんよね。このような場合、御社のようにSNSを活用される企業様が増えているように感じます。
今回のキャンペーンは消費者が求めていること・感じていること、その気持ちに沿った形で商品価値を伝えるという、SNSの特徴を しっかり活かした設計になっていますね。


モニプラ:本記事内で紹介したお取り組みは、すべてモニプラにて実施可能です。
モニプラは、SNSを活用したキャンペーン開催から自社ブランドのファン管理まで、ワンストップで支援するASPパッケージサービス。写真投稿や動画視聴など、15種類以上のキャンペーン機能を自由に組み合わせて実施可能です。また、つながったファンは、モニプラ内データベースにて管理が可能となります。
キャンペーンの実施だけではなく、400万人以上の会員を保有するキャンペーンメディア“モニプラ”へ貴社キャンペーンサイトの掲載が可能なため、集客まで全面的にサポートさせていただきます。


●キャンペーンでつながったファンと継続的なコミュニケーションが発生。中には、購買に関する質問も!

飯田- キャンペーン開催によってファンになっていただいたお客様は、どのような方でしたか?

廣瀬氏- キャンペーンへの参加を通じてファンになっていただいたお客様をモニプラのデータベース内に蓄積し分析してみたのですが、そのファンの中に、多くのフォロワーを持つインフルエンサーのような方がたくさんいたことには驚きました。

飯田- データベースを確認しましたが、1,000人以上のフォロワーがいる方が258人、その方々の累計フォロワー数は130万人にのぼります。

廣瀬氏- これって、すごいことですよね!

飯田- そうですね。一般的なインフルエンサー施策の場合、フォロワー単価は3~5円ほどが多いですから、250人規模のサンプリングをしようと思うと本来なら約400万円程度かかりますからね。キャンペーン実施後、御社のアカウントから発信する情報に対してファンのリアクションに変化はありましたか?

廣瀬氏- 反応数が大きく上昇しました。キャンペーン実施前は、弊社のInstagramアカウントからの投稿に対する反応は20~30件程度でしたが、今では その10倍くらいあります。離脱も、ほとんどありません。
また、キャンペーンをしていなくても、毎月1,000人~2,000人くらいはフォロワーが増えるようになってきました。フォロワー数が大幅に増えても、反応率が悪くなっていません。

飯田- キャンペーンをフックに獲得したファンでしたが、御社は堅実にファンとの関係を構築されていますよね。どのようなリアクションがあるのでしょうか?

廣瀬氏- 『IHに対応しているのか?』『これ、買おう!』など、商品に関するコメントもどんどん増えてきています。モニプラのプラットフォームはお借りしましたが、キャンペーン設計に こだわったおかげで、ただフォローしてくださるだけではなく、しっかりと弊社のファンになっていただけたと実感しています。
モニプラを始める前は、カインズへのSNS上での認知が進んでいなかったこともあり、お客様との そういったやり取りは発生していませんでした。

飯田- 狙いのある訴求でカインズが認知されて一定数フォロワーができたからこそ、コミュニケーションも生まれるようになったということですね。

 

●あらゆるデジタル施策の基盤としてSNSを活用! 

飯田- 今後の御社のデジタル施策において、お考えになっていることを教えてください。

廣瀬氏- 弊社のID-POSデータだけだと分からない情報もあるので、蓄積してきたモニプラ内のデータ(※下記参照)を活用して分析を深めたいと思います。
もう一つは、モニプラを一つの武器として販促MD計画にうまく組み込み、年間を通じてキャンペーンの設計をしていきたいと考えています。



 【モニプラ内で管理・蓄積できるデータ】 
SNS上のアカウントデータ(居住・年齢・性別・ステータス)に加え、つながっているフォロワー数、イイねしているページ、フォローしているページ、キャンペーン参加状況、モニプラで配信したメッセージへの反応など



飯田- モニプラ内に蓄積したデータベースの活用としては、どんなことをイメージされていますか。

廣瀬氏- “来店していない方の顧客データ活用”がポイントだと思います。それは、弊社内だけでは獲得の難しいデータですから。どのようなコミュニケーションが好まれるかなどモニプラ内でメールを配信し、トライアルしながら最適な情報をお客様に届けられればと思います。

あとは、“自社開催のDIYリアルイベントとの連携”にも活用できるのではないかと思っています。キャンペーンでつながったファンをイベントへ誘致するとか。モニプラ内に蓄積されたユーザーの中からインフルエンサーとなりうる方を抽出し、直接コミュニケーションを取り、インフルエンサーと組んだイベントの企画なども行っていきたいと考えています。“イベントへの拡散”、“本来カインズに来ないような方の来店”が期待できると思っています。

飯田- 新しい見込み客の獲得につなげたい、ということですね。メディアを活用したデジタル施策という面においては、いかがでしょうか?

廣瀬氏- 既に弊社では、C CHANNEL(シーチャンネル)やRoomClip(ルームクリップ)などのメディアを活用し始めています。ホームセンターはカテゴリーが広いので、カテゴリーごとに最適なコストで最適なリターンが得られる施策を、御社と一緒に作っていければと思います。

飯田- ありがとうございます。すべてのデジタル施策の基盤として、SNSをとらえていらっしゃるということでしょうか。

廣瀬氏- そうですね、そうしないと、今後は生き抜いていけないと思います。直近の売上は店舗で担いますが、5年後・10年後のこともしっかりと考えて、未来投資的な視点で施策を進めていきたいと思っています。
今後を考えるとSNSは非常に重要だと思いますし、今まで できていなかったことなので可能性を感じています。御社には、このような新しい取り組みを行う上でのパートナーになっていただきたいと考えております。

飯田- 大変恐縮です。本日はインタビューのお時間をいただき、ありがとうございました。

<プロフィール>
廣瀬清仁氏(写真左)
株式会社カインズ 販売促進部 キャンペーン企画グループ・グループマネージャー

▼インタビュアー
飯田 英治(写真右)
アライドアーキテクツ株式会社 マーケティング事業本部 アカウント統括部 第二営業部・副部長 / アカウントエグゼクティブ

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