SNS for Biz
by Allied Architects

【前編】17,000人の来場を記録!LOHACO展プロモーションの舞台裏

アスクル株式会社のBtoC日用品ショッピングサイト「LOHACO」が、2017年10月6日~11日まで開催したイベント「暮らしになじむLOHACO展」。
本イベントは、LOHACOのビッグデータを活用したマーケティング研究組織として注目を集める同社のLOHACO ECマーケティングラボの活動の一環であり、会場内には48社のメーカーとコラボレーションした61商品が展示されました。当日の一般消費者の来場は、なんと想定の2倍である17,000人以上を記録!大盛況のうちに幕を閉じた同社のイベントですが、開催に至った経緯や狙い・ターゲット・SNSとリアルを掛け合わせたプロモーションの全体設計はどのようなものだったのでしょうか。

企画とPRを担当されたアスクル株式会社の小和田氏、中里氏に、お話を伺いました。
※本記事は、前編です。


後編では、LOHACO展のプロモーションにおいて、SNSを活用した具体的な施策・効果 を同じくインタビュー形式でご紹介してまいります。

後編は、コチラ からご覧いただけます。


●“暮らしになじむ”をコンセプトにしたデザイン商品を販売するECサイトLOHACO。価格やスペックに頼らない“ECでの販売手法”を研究・推進するため、メーカーと共同でECマーケティングラボを組織

井出 本日は、よろしくお願いします。御社とお二人のご担当ミッションについて、ご紹介をお願いできますか。

小和田氏 アスクル株式会社は1993年創業、法人向け(BtoB)にあらゆる仕事場で必要なモノを提供する通信販売サービスの会社です。加えて2012年より、“くらしをかるくする”というコンセプトのBtoC日用品ショッピングサイトLOHACOの運営も行っております。
部署と役割についてですが、私は広報を担当しており、アスクルブランドの認知拡大がミッションです。今回実施したLOHACO展では、協賛メーカー様同士の横のつながりをまとめながら一気に話題性を高めていけるよう、メディア向けのPRを担当しています。

アスクル株式会社 財務広報室本部 広報 部長 小和田 有花氏

中里氏 私はバリュー・クリエーション・センターという部署に所属しており、部のミッションは“デザインで付加価値を創造する”というものです。
“暮らしになじむ”というコンセプトに沿ったデザイン開発をしたり、デザインという切り口で、“ロハコらしさ、アスクルらしさ”が伝わるような企画を日々考えています。「暮らしになじむLOHACO展」の企画設計についても、バリュー・クリエーション・センターで担当いたしました。

バリュー・クリエーション・センター 部長 中里 裕治氏

 

井出 “暮らしになじむ”をコンセプトにしたデザイン商品を扱うLOHACOとは、どのようなECサイトなのでしょうか。既存の他ECとの違いについて、教えてください。

 LOHACO WEBサイト

小和田氏 働く女性の増加、親世代の高齢化に伴い、忙しい女性を応援したい、という願いを込めてLOHACOを立ち上げました。ただ単に生活用品を買うだけのサイトではなく、日々の暮らしに潤いをもたらすようなお買い物をしていただけるECサイトです。
LOHACO単体としては後発スタートのECですが、BtoBサービス“ASKUL”で20年以上培ってきたメーカー様との強い協同関係や、品ぞろえ、自社物流、お客様サポートといった強みを活かしてできたECである…という点が、既存の他ECとは違うポイントかと思います。

井出 御社のお取り組み“LOHACO ECマーケティングラボ”という活動がありますが、そのお取り組みについて教えていただけますか?

小和田氏 モノがあふれている時代ですし、ネットの世界では一瞬で一番安い価格を検索することができますので、どうしても価格優位性のある商品が売れるという現状がありますよね。また、ECでの販売手法と店頭での販売手法も同じではありません。“小さくPDCAを回しながら、価格やスペックだけに頼らないECでの販売手法を確立していただきたい”という思いから、マーケティングのプラットフォームとしてLOHACOを活用していただくのはどうかと考えました。
そのためにビッグデータを開放し、“メーカー様参加型のECマーケティングラボ”というマーケティング研究組織を作ったんです。LOHACOのビッグデータを開放することで、“一緒に買われている商品”、“購入に至らなかった際に代わりに購入された商品”、“買わなかった理由”まで分析できます。また、特定のカテゴリーに興味のあるお客様をセグメントしてサンプリングを行ったり、レビューを書いてもらうような施策も実施することも可能です。購買データやアクセスログ、顧客情報などのデータを活用して、新しいマーケティングを考えていく活動です。
おかげさまで、今では日本のトップメーカーを中心に127社、400名以上のメーカーの研究員の方に参加いただいています。

井出 メーカー様にとっては、ただ販売を強化するだけではなく、今後のマーケティングの設計にも活かしていける活動ということですね。

小和田氏 そうですね。常に、そこからはブレないようにしています。

 

●流通店頭で必要な情報と、家庭で使用するときに必要な情報は別。“暮らしになじむデザイン”とは?

井出 先程ご紹介いただきました “暮らしになじむ”とは、具体的に どのようなデザインなのでしょうか。

アライドアーキテクツ株式会社 マーケティング事業本部アカウント統括部 第一営業部部長 井出 修二朗氏(LOHACO展におけるSNS領域のプロモーションを支援)

 

中里氏 もともとアスクルでは、お客様にとって使いやすい商品や機能をデザインで表現してきました。その活動をLOHACO ECマーケティングラボの考え方に基づき、LOHACOでもメーカー様と一緒に作っていこうと考えたのです。

井出 “お客様にとって使いやすい商品や機能をデザインで表現する”というのは、店頭で販売するデザインと、どう違うのでしょうか。

中里氏 店頭で売る商品は、見た瞬間に商品カテゴリー・機能・メリットなどを全て表現しなくてはいけません。購入後ご家庭に置かれたときには、そのデザイン訴求は全く必要ではないですよね。つまり、“お客様がご家庭で使うときに必要な情報”と、“メーカーサイドとして店頭で販売するために必要な情報”がずれているということです。ご家庭で使用されるときのことを考えるのが“お客様にとって使いやすい商品や機能をデザインで表現する”ことであり、弊社では、それを“暮らしになじむデザイン”と呼んでいます。

井出 店頭に置かれている商品は、機能や色が非常に目立つ形でデザインされていますよね。ECで買うからこそ、暮らしになじむデザインを追求するようなお取組みができるのでしょうか。

中里氏 そうですね。必要な情報はWEBサイトに全部書いてありますので、使うときのことだけ考えながら ご購入いただけると思います。

小和田氏 これまで機能訴求のパッケージデザインが中心だったメーカー様からすると、店頭を意識しなくて良いパッケージを初めて考えるということで、とても前向きに取り組まれております。それは、我々としてもそれはうれしいリアクションですし、“イイものができるだろうな”と感じていました。


暮らしになじむデザインを追求したアルコールスプレー&ハンドミスト(LOHACO先行販売 ライオンデザインボトル)

 

●LOHACO展は“まだLOHACOを利用されていない方と接点を持つ機会”、そして“商品へのリアクションを直接確認できる機会”

井出 この度 開催されたリアルイベント“LOHACO展”について、教えてください。
LOHACO ECマーケティングラボに参加する大手メーカーを中心とした48社と共同開発した“暮らしになじむオリジナルデザイン商品”を一堂に紹介する場とのことでしたが、どのような背景で実施されたのでしょうか。

中里氏 “暮らしになじむ”という考え方でデザインされたこだわりの商品は、これまで対外的にアピールする機会がありませんでした。まだLOHACOを利用したことのない方にもLOHACOの商品を知っていただきたい、より身近に感じてもらいたいということで、お客様に体験していただけるような形にて敢えてリアルイベントという形式にこだわった企画をすることにしました。

10月6日(金)より6日間、代官山T-SITE GARDEN GALLERYにおいて「暮らしになじむLOHACO展2017」を開催

「LOHACO ECマーケティングラボ」に参加する大手メーカーを中心とした48社と共に、“暮らしになじむデザイン”を統一コンセプトにコラボレーションした61の新商品を一堂に発表しました。2017年で、3回目の開催。



井出 消費者と直接接点を持つことは、どのように捉えられているのですか。

中里氏 すごく大事なことだと思っています。自分が考えた企画・商品が、本当にお客様のためになっているのか、独りよがりになっていないか?と振り返る意味でも、お客様に直接手にとってもらって、そのリアクションを肌感で理解していくということが重要なんじゃないかなと思いますね。ですから、今回のLOHACO展も外部の方に委託はせず、当日の運営まで全て社員が行います。

井出 新入社員の方も、全員参加されるとお伺いしています。会社として、直接お客様のリアクションを見ることを重要視されているのですね。

 

●『地上戦』と『空中戦』を組み合わせたプロモーションを設計。SNSはLOHACO未利用のお客様へ情報を届けるチャネルとして活用

井出 会期が6日間ほどあったイベント“LOHACO展”ですが、ターゲットは、どのような方なのでしょうか。

中里氏 女性をターゲットとしました。もともとLOHACOのコンセプトが、“働く女性の暮らしを軽くしたい”というものですので。たとえば、20代の働く世代、30代ぐらいの子育て世代や、40代の親のお世話をされている世代など、20~50代まで幅広い年齢層の“女性”に向けたイベントとしました。

井出 ターゲットに向けたプロモーションについて、教えてください。
 


集客目標10,000人のイベントLOHACO展の、プロモーション全体構成※吹き出しアイコンはSNS施策

 

中里氏 人々の生活圏を意識するという意図から、会場は代官山T-SITE GARDEN GALLERYを選びました。そして、幅広いお客様に来ていただけるよう、プロモーションにも趣向を凝らしました。

集客施策としては、Tポイント会員様向けのメールと紙のDMを実施しました。そこでリーチできない方へは、駅の交通広告・フリーペーパー・TSUTAYA店頭での告知などの地上戦を中心に実施しました。

一方でデジタル施策などの空中戦は、以前から苦戦していました。LOHACOをご利用いただいているお客様には、WEBサイトや商品梱包時にチラシを同封するなどのコミュニケーションを取れますが、未利用のお客様とデジタル上で接点を持つ方法は試行錯誤の連続でした。そこで未利用のお客様にも口コミで情報が伝わることに期待して、未利用者向け拡散施策を考えました。それが、SNSの活用でした。

小和田氏 SNSを活用した狙いは、会期中にイベントを盛り上げるためです。会期が6日間で終わるイベントで費用対効果を考えると、初日にチラシを打つのは違うのではないかと思いました。会場の雰囲気というのは、SNSでなければ伝わらないなと。
また、事前に仕込んである会場内の仕掛けについては、イベントが始まる前は全てをオープンにできないのです。ですから、イベントが始まってから、たくさんの人へ情報がすぐ届くようにスピードや鮮度を考慮すると、紙媒体に比べ圧倒的にSNSが有効だと考えました。

中里氏 このようなイベントは、実際に始まってからでないとオープンにできないことが多いので、SNS頼みの部分が大きかったです。


LOHACO展におけるSNSを活用した具体的なプロモーション施策については、後編でお話いただいております。是非ご覧ください。

TOP