SNS for Biz
by Allied Architects

QnaryJapanのトークセッション!トヨタ×ニューバランスのSNS戦略

QarnaryJapanセミナー登壇者
<当日の登壇者> 左から、トヨタ自動車株式会社 平野氏、Qnary Japan 株式会社 狩野氏、アライドアーキテクツ株式会社 松井氏、株式会社ニューバランスジャパン 山崎氏

FacebookやTwitterといったソーシャル・ネットワーキング・サービスを活用してファン獲得などを行う、「SNSマーケティング」。最近はファン育成やエンゲージメント強化などにとどまらず、集客数増加や売上拡大といった業績アップに成功する企業も目立ち始めました。

SNSマーケティングで成果を挙げている企業が取り組んでいる施策とは、どのようなものか?
そのヒントを探るため、2017年4月28日にアライドアーキテクツ株式会社が開催したSNS戦略セミナーを取材しました。

【当日のプログラム】

■第1部 セミナー「消費者視点で考えるSNSマーケティング」
・講師:アライドアーキテクツ株式会社 執行役員 マーケティング事業本部 営業企画室長 松井裕美氏
 
■パネルディスカッション「消費者の生活に入り込む『消費者視点』の企業戦略、マーケティングとは?」

<パネリスト>
・トヨタ自動車株式会社 カローラ店営業部 担当部長 平野義孝氏
・株式会社ニューバランスジャパン マーケティング部 ブランドマーケティングマネージャー 山崎祐仁氏

<モデレーター>
・Qnary Japan株式会社 代表取締役社長 狩野昌央氏

 

■《第一部》現在の消費者(SNSユーザー)の視点や心理・行動特性とは?

第1部の「消費者視点のSNSマーケティング」と題するセミナーでは、アライドアーキテクツ執行役員の松井裕美氏が登壇し、集客アップや売上拡大を実現するSNSマーケティングのノウハウを解説しました。
 
セミナーのポイントは、①SNSユーザー(生活者)の視点や心理・行動特性とは どのようなものか?、②生活者視点を踏まえたSNSコミュニケーションの方法について…の2つ。
SNSマーケティングの費用対効果を検証する手法・SNS事例・クライアント企業の成功事例など、アライドアーキテクツの事業で培った実践的な情報を公開しました。

 

アライドアーキテクツ松井裕美氏
アライドアーキテクツ 執行役員 マーケティング事業本部営業企画室長 松井裕美氏。DeNA、トランスコスモス、アイレップを経て2016年にアライドアーキテクツ入社。マスとデジタルを横断する総合的なコミュニケーションデザインを担当。ソーシャルメディアを中心にした成果最大化プランニングを統括している。

松井氏は現在のSNSユーザーの特徴について、「『他者への共感』と『自己実現の欲求』が行動とマインドセットの前提になる」と説明。スマホを使い、欲しい情報に自由にアクセスできる現在、生活者は「そうありたい(他者への共感)」と「こうなりたい(自己実現の欲求)」という2つの感情を起点に情報を選択していると指摘しました。
 
「SNSユーザーは『分かる、分かる!私も そう思う』とか『自分もこうなりたい!』という感情を刺激するような情報をシェア・拡散する傾向にある。憧れや共感をベースに情報が拡散する現在のSNSでは、『自己実現の欲求』と『他者への共感・関心』がいろいろな形で日々形成され、自己増殖している」(松井氏)。
 
「そうありたい(他者への共感)」と「こうなりたい(自己実現の欲求)」という2つの感情が情報のシェア・拡散に影響する具体例として、「LINEライブ」で普通の女の子がライブ動画を配信し「いいね」が数十万件付いたり、数万人が視聴したりする現状を紹介。また、Twitterで人気インフルエンサーのファン同士が相互にフォローし、共感をベースにコミュニティを形成している事例などを紹介しました。

インフルエンサー・フォローコミュニティ
「そうありたい(他者への共感)」と「こうなりたい(自己実現の欲求)」という2つの感情が情報のシェア・拡散に影響している事例を紹介した

コンテンツの具体例
SNSユーザーがシェアしたくなるコンテンツは、「こうなりたい」という欲求を満たすものが多いことが各種調査結果からも示されている

松井氏は「SNSによって消費者同士のつながり方に違いがある」と述べ、Facebookはリアルの人間関係を軸に「自分に役立つ情報」に接している一方、TwitterとInstagramは興味・関心やセンスを軸にしてコミュニティが形成されると指摘。YouTubeやMixChannel、LINEライブは、「憧れ・信頼」「親近感」といった感情を起点に消費者のつながりが生まれていると説明しました。

SNSによって、消費者同士のつながり方の違い
SNSによって、消費者同士のつながり方に違いがある

 

・生活者視点で考えるSNS活用の方法 ①効果検証の具体策


続いて松井氏は、消費者の心理や視点を踏まえ、集客アップや売上拡大を実現するSNSマーケティングの具体策を解説しました。
 
まずは、同社が提供する「モニプラ」を利用してのSNSマーケティングの成果や費用対効果を検証する方法について。
SNSアカウントのフォロワーや投稿に接触したユーザーをデータベースに登録し、ユーザーの行動や感情の変化に関するデータを蓄積することで、SNS施策の売上への貢献度などを計測することが可能になると説明しました。

SNSアカウントの成果と、費用対効果を検証するフロー
SNSアカウントの成果と、費用対効果を検証するフロー

具体的には、Facebookキャンペーンの投稿に対して「リーチした」「エンゲージメントした」「コメントをつけた」といったユーザーごとの行動をデータベースに蓄積。各ユーザーに対して定期的にアンケートを実施し、企業やブランドに対する「好意度」「購入意欲」「購入の経験」などの変化を調べることで、SNSの投稿がユーザーの購買意欲の変化や売上に どのような影響を与えたかを数値化していきます。
たくさん《いいね》をしてくれるが ほとんど購入しない、《いいね》は3カ月に1回ほどだが購買頻度が高い…というように、とても きれいに可視化することができます。
 
全ての投稿にタグ付けを行い、「投稿プラットフォーム」「文字数」「形式(テキスト、静止画、動画)」「ジャンル」「商品」「ターゲット属性」「ターゲットの行動」「投稿のタイミング」などをデジタルで管理。SNSユーザーの興味関心の変化や、感情が揺れ動く様子をリアルタイムで把握します。

モニプラ管理画面
ユーザーの行動を「モニプラ」のデータベースに蓄積し、企業やブランドに対する態度変容や売上への貢献度を可視化する

投稿内容や投稿タイミングをデジタル管理
SNSユーザーの興味関心の変化や、感情が揺れ動く様子をリアルタイムで把握するため、すべての投稿にタグ付けを行う

こうした施策を行うことで、FacebookキャンペーンやInstagramキャンペーン、Twitterキャンペーンなどの成果や費用対効果を可視化。「シェア数や『いいね』の数、ファン獲得人数だけでは計れない、売上への貢献度を可視化できる」(松井氏)ほか、SNSのIDを軸とした「人ベース」を基本としているため、cookieでは取得できない微妙な状態の変化やファネル内の状態変化を継続的に記録することができるそうです。
 
さらに、エンゲージメント率が高く顧客の購入意欲やブランドロイヤルティーの向上に成功した投稿を特定し、セグメントごとに最適なコンテンツは どのようなものかを知ることができるため、キャンペーン内容をチューニングし売上への貢献度が高いコンテンツを増やしていくことが可能になります。

 

・生活者視点で考えるSNS活用の方法 ②SNSキャンペーンの成功事例


SNSキャンペーンやSNSプロモーションを実施することで、ブランドリフトや購買促進に成功した事例も公開しました。

事例1
寝具や寝装品の製造販売大手の西川グループは、ファンをフェーズごとに「購入検討層」「好意層」「低関心(認知のみ)」に分類。それぞれの層に最適なコンテンツを届け、顧客育成に取り組んだ結果、未購入者の16.6%が新規顧客に転換したほか、「低関心層」の78%が「関心状態」に移行するなど、購買促進と顧客の態度変容に成功した。

 

西川産業の事例
ブランドリフトなどに成功した西川産業の事例

事例2
菓子大手のカルビーは、ポテトチップス大袋の最需要期の12月に売上を伸ばすため、「スナックボウル開け」という新しい袋の開け方を訴求。SNS上での話題作りを目的に、「モニプラ」を使って対象記事へのコメント投稿やシェアを促すSNSキャンペーンを実施した。
 
キャンペーン拡散を推進した結果、Facebookキャンペーンのシェア数は8056件、リーチ数は75万9654件と大きな成果を上げた。Twitterキャンペーンのシェア数(リツイート数)は1万1433件、リーチ数は181万3694件となり、プロモトレンドに匹敵する拡散に成功している。
 
これらの結果、2016年12月の売上高は前年同月比30%増となり、SNSキャンペーンが売上アップにつながった。

カルビーの企画拡散のキャンペーン結果
カルビーは、SNSキャンペーンを活用して売上アップに成功した

松井氏は、「生活者視点とは、ユーザーの『そうありたい』『こうなりたい』という心理を捉えること」と強調。「できるだけ多くの人に反応してもらえるようにクリエイティブをどんどん投稿し、コミュニケーションを図ることで、揺れ動くユーザーの心理をタイムリーに把握し、それを計測し、施策に活用していくことが重要」と述べ、セミナーを締めくくりました。

■《第二部》パネルディスカッション 消費者の生活に入り込む「消費者視点」の企業戦略、マーケティングとは?

第2部のパネルディスカッションでは、トヨタ自動車・カローラ店営業部の平野義孝担当部長と、ニューバランスジャパン・マーケティング部の山崎祐仁マネージャーが登壇。
 
「消費者の生活に入り込む『消費者視点』の企業戦略、マーケティングとは?」をテーマに、消費者視点を踏まえた広告クリエイティブの在り方や、消費者視点を取り入れた商品開発のポイントなどを語りました。

パネルディスカッションのyousu
第2部のパネルディスカッションの様子

 

・「消費者視点のクリエイティブ」


平野氏はトヨタ自動車の宣伝部に17年間在籍し、テレビCMをはじめとするマス広告やデジタル広告などを手掛けました。そして現在、販売店の販促を支援する立場になり、「広告クリエイティブに対する考えにも変化があった」と言います。
 
「宣伝部時代は広告が どのくらい世間に認知され、どのぐらいバズったかを意識していた時期もある。しかし、販売店が必要としているのは、とにかく売るためのクリエイティブ。いくらCMが話題になったりバズったりしても、商品の販売につながらないと意味がない。特にデジタルやSNS広告の効果を高めるには、例えばバナーに車の値段や燃費を書くとか、『消費者が求めている情報は何か』という視点が欠かせない」(平野氏)
 
続けて平野氏は、「消費者は、興味のある情報しか目に入らない」と指摘。クリエイターの視点で良い広告を作ろうとするのではなく、ABテストなどを徹底し、消費者に刺さるコンテンツを見つけることが重要だと語りました。

 

トヨタ自動車平野義孝氏
トヨタ自動車 カローラ店営業部 担当部長 平野義孝氏

モデレーターの狩野氏は、平野氏の意見に同調。「消費者は欲しくない情報に触れると、おそらく不愉快に感じる。メーカーや販売店が伝えたいことと消費者が欲しい情報がぴったり重なると、売上につながるのだと思う」と述べ、消費者視点を取り入れたクリエイティブの重要性を指摘しました。

 

QnaryJapan狩野昌央氏
モデレーターを務めたQnary Japan 代表取締役社長 狩野昌央氏

一方、ニューバランスジャパン・山崎氏は、消費者が求めている情報を知るため卸先の店頭スタッフとのコミュニケーションを重視していると説明。また、新商品の試し履きを目的としたスポーツイベントなどを開催し、参加者とコミュニケーションをとるなど、「フェイストゥフェイスで消費者のニーズを吸い上げることを重視している」と明かしました。

ニューバランスジャパン山崎祐仁氏
ニューバランスジャパン マーケティング部 ブランドマーケティングマネージャー 山崎祐仁氏


・消費者視点を生かした商品開発のポイント 


パネルディスカッションでは、聴講者からの質問にも回答。たとえば、「30年後を見据えた商品開発において、お金をかけずに消費者視点を調べるにはどうすれば良いと思うか」という質問に2人が答えました。
 
トヨタ・平野氏は、「一般論としては、世の中のテクノロジーの変化や人口構成などを踏まえ、何が市場のニーズを形成していくかを勉強することが必要ではないか」と回答。そして、「ニーズを探すには情報収集が必要。情報が集まってくると、さまざまな仮説が立てられる。お金をかけずにやるということであれば、人的なネットワークを駆使することが必要だと思う」と述べました。
 
同時に「本音を言えば、30年後のニーズなんて分かるわけない。とにかくニーズを探し、『これが絶対来るんだ』と思ったことをやりきることが必要だと思う」と私見を披露しました。
 
ニューバランス・山崎氏は、消費者視点とブランディングを両立することの重要性も強調しました。
 
「消費者視点を大事にすることと、消費者に迎合するというのは違うと思う」(山崎氏)と述べ、「消費者が求めているという理由で商品を作るだけでは、イノベーションは生まれないのではないか」と指摘。
 
消費者視点を大事にしてもブランドとしての立場をぶらすべきではないとし、「常にアイデアを形にすることを意識する。そのために勉強や情報収集を怠らず、アンテナの感度を高めておくことが必要だと思う」と強調しました。 


・SNSを活用した販促も強化


パネルディスカッションの終盤、2社はSNSを活用したマーケティングを強化していく計画にも言及しました。
 
トヨタ・平野氏は、現在トヨタの販売店のデジタル戦略を強化していることを説明。共通のCMSを使って店舗ホームページを構築し、各店舗が独自に作ったコンテンツを投稿した上で、検索対策やSNSによる拡散にも力を注いでいるそうです。
 
ニューバランスジャパンは、商品を掘り下げるコンテンツやネイティブアドなどをオンライン上で展開。SNSにコンテンツを投稿しインフルエンサーやアスリートに拡散してもらうなど、「コンテンツをどのように届けていくかということを重視し、デジタルマーケティングに取り組んでいきたい」(山崎氏)と今後のSNS活用に意欲を示しました。

 

セミナー会場の様子
当日は50人以上が聴講、質疑応答も活発に行われた

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