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【第一回】CRMはSNSとの親和性が極めて高い!

【連載企画】B2C企業のマーケター必読!CRM戦略のSNS活用法、基本と応用

【第一回】 CRMはSNSとの親和性が極めて高い!

 

「この1冊ですべてわかる 『CRMの基本』」の著者でもある株式会社スマートウィル社長の連載企画、第1回。潜在顧客を優良顧客にしていくためのSNS活用による次世代型CRMの実践方法を解説していきます。

顧客との関係性構築の在り方がパラダイムシフトしつつある現代において、数十年にわたって使われてきた従来のマーケティング戦略のままでは様々な外部データ連携が現実のものとなりつつある中、確実に埋没してしまう状況になってしまうでしょう。オンライン通販の隆盛と百貨店の斜陽状態を鑑みても、裏付けされていると思います。
新規顧客獲得が中々できない昨今、従来CRM戦略等とは一線を画していた業態であっても、積極的なCRMへの取り組みを始めています。

本連載では、CRMの考え方、その意味性、ソーシャルメディア時代におけるSNSのCRM戦略への組み込み方等を説明していきます。多くの皆様に、1to1マーケティングを実践され、より高い成果をあげていただく一助としていただけましたら幸いです。
 
CRMとは、「顧客を適切に識別し、ターゲットとする顧客の満足度と 企業収益の双方を高めるための経営における選択と集中の仕組み」というのが定義です。貴社の既存顧客に対して、その関係度合いに応じて情報提供や顧客対応を差別化し、限られた経費などのリソースを貴社にとっての優良顧客に戦略的にシフトすることで、効率性を高めようとするものです。
 
それでは、SNSマーケティングを展開する上においてのCRMとの親和性について、まずご説明しましょう。
 

顧客のタイプ分類


CRM戦略を語る上での重要事項として、顧客をどのようにタイプ分類するかというものがあります。セグメント手法については、RFM分析1に代表されるように様々な切り口がありますが、ここではRFMにおけるF(購買頻度)とM(購買金額)をベースに、4つのセグメントに分類してみます。

蓄積した顧客の購買データを、購買頻度(Frequency)、購買金額(Monetary)の2つの要素で、顧客を四象限に分類

②の顧客タイプは、購買頻度が高いが、購買金額は高くない顧客(Better Customer)といえます。このタイプの顧客が④のタイプ(Loyal Customer)にシフトするためには、顧客自身の経済状況への依存も高く、顧客にとっての自社シェア等を高める不断の企業努力が必要な領域です。
③の顧客のタイプは、購入頻度は低いが、購買金額の高い顧客(Lucky Customer)です。このタイプの顧客に対しては、商品やサービスのラインアップ充実、より良い購買体験等が重要であり、ここでも常日頃からの企業努力という中長期的な施策が必要な領域です。
④のタイプは、所謂優良顧客(Loyal Customer)として必ず守り、拡大させなければなりません。では、①のタイプはどうでしょう。たまたま購買しただけなのか、何らかの理由があって継続顧客にはなり得ていないという領域です。
こうしたタイプも顧客(Customer)ととらえ、前述の②Better Customer、③Lucky Customer含め目の前に顕在化している顧客を選別し、ランクに応じて維持拡大させる顧客関係性マネジメントが いわゆる従来のCRM戦略の骨子であったといえます。
この考え方において、①のタイプを顧客(Customer)ととらえてマーケティング投資を検討することは、慎重に考えるべきです。顧客であることには変わりませんし一定程度の成果も得られる可能性はありますが、確度は低いことの方が多いです。
(こうしたタイプ分類は業種業態、個社別に様々な切り口がありますため本コラムでは これ以上の言及はしませんが、ご興味があれば、是非ご連絡いただきたいと思います)
一方で、この①のタイプを消費者(Consumer)ととらえて潜在的な見込み客迄その対象範囲と考えれば、広大なマーケットとして広がっていくことになります。

購買頻度(Frequency)、購買金額(Monetary)の低い顧客群の中の潜在顧客層

これら潜在的な見込み客群の中から、貴社の商品・サービスに関心を持っている層にSNSを活用して、直接的にアプローチするといった新たな顧客との関係性構築の手法が どんどん主流になってきています。
CRMを正しく行っていれば、図表1④Loyal Customerのような優良顧客タイプが見出せます。これら顧客群の属性や購買行動に共通する「特徴」をデータ分析により明らかにし、貴社の優良顧客像をペルソナ化、そのプロファイリング結果に合致する「特徴」を持つ潜在顧客に対して、優先的にアプローチを行うことができるようになるのです。かなり確度の高いマーケティング戦術です。

購買頻度(Frequency)、購買金額(Monetary)ともに高いロイヤルカスタマーの特徴を分析し、優良顧客になる可能性が高い潜在顧客へアプローチ
潜在顧客をとらえるべくマスに向けて投網を投げる時代から、マーケットに顕在化している見込客をしっかりと とらえる時代へのシフトです。このSNSを活用した広義の意味での「顧客」との関係性を構築するCRM戦略が、「ソーシャルCRM」なのです。SNSとCRMの高い親和性をご理解いただけるのではないでしょうか。SNSは顧客の趣味趣向に合わせた様々なコミュニティが立ち上がり、その中で発信が行われているプラットフォームです。つまり、まだ顧客化はしていないが、自社商品のファンであり自社商品へのエンゲージメントが高い状態の見込み顧客群を探し出すことができる場所になりえます。

SNSとCRMの親和性をご理解いただいた上で、そもそもCRMはなぜ重要なのかについて、この後 お話します。
 

CRMを重視する背景


既存顧客と密接な関係性を構築し、優良顧客に育て維持・拡大していくというCRM(Customer Relationship Management)は、多くの企業において全社をあげて取り組むべき重要課題の一つです。このCRMが重視されるようになってきた背景としては、いくつかの要因が考えられます。
まずは、市場が成熟化してきたということです。多くの市場が成熟すると、当然ながら顧客を維持することを重視したマーケティング活動が目立つようになります。成長市場では「新規顧客の獲得」に注力する傾向にあることは言わずもがなですが、新規顧客は競合の顧客という状況となれば、限られたパイの中で顧客を奪い合うしかなくなるわけです。そのため、一旦獲得した顧客と良好な関係を築き、離反することを防ぐことが極めて重要になるのです。
また、成熟市場では一般的に既存顧客維持の方が、新規顧客獲得よりも売り上げや利益への貢献度が高いと言われてきました。これは、顧客獲得コストと顧客維持コストの関係性に他なりません。顧客と長期的な関係を持つことにより、最終的に高い収益性が得られるということは学術的な研究結果でも証明されています。

顧客と企業の力関係の変化も大きなポイントです。
インターネット等の普及により、消費者(顧客)は自主的に意見を表明することができる手段を獲得しました。変化のスピードが速まる背景の中で、企業は劇的な変化にいち早く対応しなければならなくなったわけです。消費者(顧客)は企業に対して自らの意見を表明し、積極的に情報開示を請求し、自主的に行動する賢い消費者(顧客)へと変わってきました。今では、私たちが入手できる情報量は格段に増え競合商品との比較も容易になり、顧客間での情報交換も頻繁に行われるようになりました。ニーズも多様化し、知識や情報が豊富にある顧客を、企業はしっかりと維持し、離反させないための取り組みを行わなければ時代に取り残されてしまうのです。

また、ITの発達は顧客に情報提供するだけではなく、企業にも革新をもたらしています。
これまでは把握できなかった顧客の詳細情報、購買履歴や販促活動の効果などがリアルタイムで入手可能になっています。顧客データと売り上げのデータを分析することで、優良顧客の識別や関係性の構築も容易になってきました。さらに、SNSの加速度的な普及に伴い、該当する製品やサービスに対して関心を持っている層を潜在的な見込み客として高い精度でとらえることも可能となってきていることを踏まえると、企業経営において改めて顧客の声を重視するという「顧客志向」そのものの重要性が、これまで以上に高まっていると言えます。
 
次回は、CRM戦略におけるSNS活用法について、具体的に説明させていただく予定です。
次回以降も、どうぞよろしくお願いします。
 


本コラム著者紹介
株式会社スマートウィル代表取締役坂本雅志株式会社スマートウィル 代表取締役 坂本雅志
横浜市出身、青山学院大学経済学部卒、青山学院大学大学院修了
日本生命保険相互会社において、12年超に亘り、リテールマーケティング戦略に従事。
2005年、企業買収(PE投資)を主軸とする日興プリンシパル・インベストメンツ㈱(現シティグループ・キャピタルパートナーズ合同会社)に参画。マーケティング戦略担当として、小売り流通、ホテル、美容、人材派遣、情報通信等の投資先の経営支援を担当後、テレマーケティング事業のリーディングカンパニー「㈱ベルシステム24」の社長室長、執行役員営業企画室長、専務執行役・COO(最高執行責任者)等に従事。この間、BBコール㈱取締役、㈱ワン・トゥ・ワン・ダイレクト代表取締役社長、社団法人日本テレマーケティング協会常任理事等を歴任。
2010年独立起業、CRM戦略を核とした経営コンサルティング会社、株式会社スマートウィルを設立し現在に至る。
2012年より、青山学院大学大学院 国際マネジメント研究科にて非常勤講師を務める。担当講座「CRM戦略」
著書:「この1冊ですべてわかる 『CRMの基本』」日本実業出版社
 
 
株式会社スマートウィル
事業内容:

  • CRMコンサルティング業務

・顧客識別に向けた顧客・購買DB分析
・優良顧客維持・拡大施策 企画・開発・運用
・店舗CRM(販売支援ICTソリューション) 企画・開発・運用
・優良顧客予備群囲い込み施策 企画・開発・運用
・CRM浸透に向けた人事評価プログラム構築

  • 各種研修サービス
  • 市場調査関連業務

主要取引先:資生堂、NTTドコモ、オークローンマーケティング(Shop Japan運営会社)、インポートアパレルブランド各社、インポートコスメティクスブランド各社、インポートライフスタイルブランド各社等
所在地:〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-16-4 アーバン虎ノ門ビル6F
設立:2010年4月28日
代表者:代表取締役 坂本雅志
お問合せ:contact@smartwill.co.jp
URL:www.smartwill.co.jp


1蓄積した顧客の購買データを最新購買日(Recency)、購買頻度(Frequency)、購買金額(Monetary)の3つの要素を用いて分類し、特性を把握していく分析手法
 

 

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