SNS for Biz
by Allied Architects

【第三回】ソーシャルログインの特徴と活用方法

「1顧客1ID化」がCRMの基本

前回、「【第二回】ソーシャルリスニングの特徴と活用方法」では既存顧客との密接な関係構築の基本として、顧客の声に耳を傾けること、具体的にはソーシャルリスニングについて解説させていただきました。サイレントマジョリティの声を収集・分析できる取り組みですので、これまで実践されてこなかった企業の方は、この機会に是非 実施いただければと思います。

さて、CRMの基本を語る上でもう一つ忘れてならないのが、「1顧客1ID化」の概念です。自社の顧客管理において、1人の顧客に1つのIDを付与して購買履歴や行動履歴を一元管理していくのが、「1顧客1ID化」の意味するところなのですが、実践できていない企業が
かなり多いのが実情です。各種履歴データがオンライン上に集約されているようなEC専業の企業の方にとっては簡単なことに感じられるかもしれませんが、店舗とECなどオフライン・オンライン、どちらにもデータを保有する企業にとっては なかなか厄介な課題となっています。例えば下図のように、あるひとりの顧客が銀座店で50,000円、表参道店で30,000円、ECで20,000円の買い物をしたのに、企業側のデータベースでは1人のID顧客と、2人のNon-ID顧客として認識されているようなケースも多々見受けられます(ECでの購入のみID管理されているケース)。正しく1IDで管理できれば、実店舗とECの累計購入金額100,000円の優良顧客に位置づけられる訳ですから、CRM的には大変もったいない話です。


1人の顧客に1つのIDを付与し、購買履歴や行動履歴を一元管理し、1顧客当たりの累計購入金額が正しく把握できている状態

一方、顧客視点に立ってこのID管理を捉えると、違った課題も見えてきます。初めて利用するサイトへの会員登録時、また、すでに会員になっていたサイトへ久しぶりにログインする場合、ID/Passwordの登録や入力が求められます。その際、入力を手間に感じ新規会員登録をすることをやめてしまったり、自分が設定したID/Passwordが思い出せず、ログインができないため特典の享受や購入自体をあきらめてしまったりするケースがあります。
こうした会員登録のハードル、ログインのハードルを下げるのが今回解説するソーシャルログインです。
さらに、企業視点から見ると、ソーシャルログインはソーシャルIDと自社が持つマスターデータを繋ぐことができるので、CRMとして有効性の高いOne to Oneコミュニケーションまで実現します。

詳細は、次章にてご紹介します。

 

顧客にも企業にも嬉しいソーシャルログイン

ソーシャルログインとは、PCサイト・スマホサイト・アプリなどで、Facebook、Twitter、LINE、Yahoo!などのアカウント情報を使って会員登録やログインができる仕組みのことを言います。
下図のようにソーシャルメディアサービスのロゴのついたボタンが設置された会員登録画面やログイン画面を見たか、あるいは実際に利用された方も多いと思います。仕組みとしては、会員登録時に自社データベース内で割り振るIDとソーシャルアカウントのIDを自動的に紐付けるというもので、数年前からすでに存在していたものですが、近年のSNSの爆発的な普及に伴い導入する企業が増え、今では すっかり定着している感があります。

 


ソーシャルログイン画面

顧客側から見たソーシャルログインのメリットは、大きく2つあります。1つ目は、会員登録時などのフォーム入力の手間が簡略化できることです。特に小さな画面で操作する必要のあるスマホでは細かなID/Passwordの入力作業は負担が大きく、手間が簡略化できるメリットは大きいと言えます。そして2つ目は、前述の「ID/Password忘れ」問題の解消です。サイト独自のID/Passwordを覚えていなくても、日常的に頻度高く利用しているSNSのアカウントでログインすることができるので、久しぶりに訪問したサイトであっても簡単にログインすることができ、特典の享受もできるため、買い物をあきらめることもなくなるという訳です。

一方、企業側から見たソーシャルログインのメリットも大きく2つ挙げられます。1つは、会員登録やログイン時の離脱率を下げることができる点です。これまでもエントリーフォーム最適化(EFO※1)と称してフォーム入力時の離脱率を下げる施策が盛んに行われてきましたが、ソーシャルログインも離脱率抑制に大きな効果を発揮してくれます。もう1つは、ソーシャルメディアに登録している様々なパーソナルデータを取得できる点です。もちろん顧客側の承諾を得ることが大前提(実際は会員登録プロセスで同意することを求められるだけですので心理的ハードルは高くない)ですが、基本的なデモグラフィックデータの他に、友達数や興味関心事のように一歩踏み込んだサイコグラフィックデータを取得してその後のコミュニケーションやマーケティングに活用することができるのは企業にとって大きなメリットとなります。

 

One to Oneコミュニケーションを実現するLINE

ソーシャルログインのASPサービスを提供しているフィードフォース社の調査(※2)によると、日本国内のソーシャルログインのアカウント別シェアは、Yahoo! JAPANが第1位で48.6%。以下、Facebookが18.6%、Googleが18.3%、LINEが11.2%、Twitterが3.3%という結果が出ています。現段階ではYahoo! JAPANの利用度が際立っているのが印象的ではありますが、CRM戦略を進める上で今後最も注目を集めるのはLINEでしょう。国内利用者数6,600万人(※3)という圧倒的な普及度に加え、ソーシャルログインから既存顧客とのOne to Oneコミュニケーションまでを一気通貫で実現できるプラットフォームを提供しているからです。

既存顧客とのオンラインコミュニケーションの手段としては従来Eメールが主流でしたが、その到達力の低下に悩んでいるマーケターの方も多いと思います。敢えて普段使用しないアドレスを登録する顧客も多いですし、メーラーによってはプロモーションタブに自動振り分けされてしまうような環境で、また明らかな一斉配信を感じさせるクリエイティブでは、開封率もクリック率もどんどん下降しているのが現状です。この課題の改善に効果を発揮しつつあるのが、既存顧客の属性や購買ステータス等に応じたメッセージを送ることができるLINEを活用したOne to Oneコミュニケーションなのです。

実は、LINEを使ったOne to Oneコミュニケーション自体は、数年前からLINEビジネスコネクトという仕組みで提供されていましたが、会員登録時のID連携が前提ではなかったため、顧客にわざわざID連携操作をしていただく必要がありました。このため、ID連携率が上がらず、そもそもOne to Oneコミュニケーションできる対象人数が増えにくいという課題がありました。しかし、前述したソーシャルログインと組み合わせることによって、ID連携と友だち追加が自動で行われるという新しい仕組みが開発されたことによって導入が進みつつあるようです。ここまでくると、単なるソーシャルログインの枠を超えてCRM的なプラットフォーム化するLINEのポテンシャルを感じていただけるのではないでしょうか(但し、LINEをEメールのリプレイスと捉えるのではなく、あくまで併用することで効果を発揮するものであると認識いただくのが適切でしょう)。

以上、簡単ではありますが、ソーシャルログインの特徴とその活用方法について解説させていただきました。「【第一回】CRMはSNSとの親和性が極めて高い!」でも書かせていただいた通り、SNSとCRMとの相性の良さをあらためてご理解いただけたことと思います。次回は、CRM戦略におけるSNS活用法の第三弾として、優良顧客予備軍を効率的に獲得するカスタムオーディエンスを用いた広告配信についてご説明する予定です。引き続きよろしくお願いします。

※1: Entry Form Optimizationの略
※2: 2016年11月発表資料より
※3: 2017年4-9月LINE媒体資料より

 


本コラム著者紹介
株式会社スマートウィル代表取締役坂本雅志 株式会社スマートウィル 代表取締役 坂本雅志
横浜市出身、青山学院大学経済学部卒、青山学院大学大学院修了
日本生命保険相互会社において、12年超に亘り、リテールマーケティング戦略に従事。
2005年、企業買収(PE投資)を主軸とする日興プリンシパル・インベストメンツ㈱(現シティグループ・キャピタルパートナーズ合同会社)に参画。マーケティング戦略担当として、小売り流通、ホテル、美容、人材派遣、情報通信等の投資先の経営支援を担当後、テレマーケティング事業のリーディングカンパニー「㈱ベルシステム24」の社長室長、執行役員営業企画室長、専務執行役・COO(最高執行責任者)等に従事。この間、BBコール㈱取締役、㈱ワン・トゥ・ワン・ダイレクト代表取締役社長、社団法人日本テレマーケティング協会常任理事等を歴任。
2010年独立起業、CRM戦略を核とした経営コンサルティング会社、株式会社スマートウィルを設立し現在に至る。
2012年より、青山学院大学大学院 国際マネジメント研究科にて非常勤講師を務める。担当講座「CRM戦略」
著書:「この1冊ですべてわかる 『CRMの基本』」日本実業出版社
 
 
株式会社スマートウィル
事業内容:
CRMコンサルティング業務
・顧客識別に向けた顧客・購買DB分析
・優良顧客維持・拡大施策 企画・開発・運用
・店舗CRM(販売支援ICTソリューション) 企画・開発・運用
・優良顧客予備群囲い込み施策 企画・開発・運用
・CRM浸透に向けた人事評価プログラム構築
 
各種研修サービス
市場調査関連業務
主要取引先:資生堂、NTTドコモ、オークローンマーケティング(Shop Japan運営会社)、インポートアパレルブランド各社、インポートコスメティクスブランド各社、インポートライフスタイルブランド各社等
所在地:〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-16-4 アーバン虎ノ門ビル6F
設立:2010年4月28日
代表者:代表取締役 坂本雅志
お問合せ:contact@smartwill.co.jp
URL:www.smartwill.co.jp

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